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物理情報工学科

スマホから環境・エネルギー問題まで
 -自然から学び、新技術を創出する-

学科の特徴

物理情報工学科では、自然界の普遍的な法則を探求する物理学と、生命の普遍的な法則を探求する生物学、そこに情報・システム技術としての情報工学を融合した教育と研究を通して、さまざまな分野での技術革新(イノベーション)につなげる融合領域研究を切り拓くことができる技術者の育成に力を入れています。
そのために物理情報工学科では、物理学、エレクトロニクス、情報工学を駆使し、電子材料、光システム、流体制御を中心とした情報化社会で必要とされる新たな技術を生み出す「電子物理工学コース」と、物理学、生物学、情報工学を駆使し、新素材・材料、計測システム、生命科学を中心とした学際領域の新たな技術を生み出す「生物物理工学コース」を設けています。
卒業後は、大学院に進学するほか、情報通信産業、総合電機、環境・エネルギー、自動車、精密機器、ナノテクノロジー、材料・素材、音響、医歯薬、食品、化粧品などの幅広い分野で、イノベーションを創出する技術者としての活躍が期待されます。

コース紹介

電子物理工学コース

電子材料、光工学、流体工学を中心とした情報化社会で必要とされる新たな技術

超伝導や半導体などのエレクトロニクス材料、光・レーザーシステム、電磁流体力学などの研究分野を中心に、物理・電子物理工学と情報工学を利活用して、新技術を生み出す技術者を養成するための教育と研究を行います。そのために、物理学、電子物理工学、ナノテクノロジー、計測技術および情報工学分野の知識と技術を多岐にわたって学びます。将来、主にエレクトロニクス、環境・エネルギー、光、電機、鉄鋼、電子・情報システムなどの多種多様な分野で、物理・電子物理工学・情報工学を融合して、革新的な研究や開発を行える技術者を育成します。

キーワード
物理工学、電子物性、光物性、超伝導、エレクトロニクス、ナノテクノロジー、電磁流体力学、計測
養成する技術者像
物性・物理学を情報工学分野に利活用し新技術を生み出すことができる技術者

研究室紹介

岡本 卓 研究室

生活に役立つ光の科学
   ― 飛び散る光が創造するレーザーや化粧品

粉からレーザー光が出てくる! そんなことはない、と思われるでしょう。でも、これは事実です。ふつうのレーザーはきれいな光を出すために、精密に作らなければいけません。しかし、ランダムレーザーと呼ばれるこの新しいレーザーは、小さな粒子が密集して置かれてさえいればよいのです。精密加工は必要ないため安価に作ることができます。もし実用化されれば、今まで出せなかったきれいな色が出るテレビ、より精密に眼底の状態を検査できる装置、植物が良く育つ植物工場、などが実現する可能性があります。私の研究室では、このランダムレーザーを初めとして、光の散乱(飛び散り)という現象を私たちの生活に役立てる研究を行っています。たとえば、皮膚やファンデーションの光散乱特性をシミュレーションで調べ、化粧肌の見え方をコンピュータ上で再現することで、化粧品開発に役立てています。21世紀は光の時代、光の応用研究は今後ますます発展していくでしょう。

教員の研究内容

小田部 荘司 教授 超伝導体を産業に応用するための研究、超伝導体の臨界電流密度の測定方法

岡本 卓 教授 光散乱現象の解明、およびランダムレーザーや皮膚光学など、その応用に関する研究

高橋 公也 教授 非線形現象の解析―木管楽器の発音機構の解析、流体音の解析、量子カオス(カオス的トンネル効果の解析)
寺井 慶和 教授 シリコン系新規半導体のエピタキシャル成長と光学特性に関する研究
情報工学を駆使した電子材料開発手法の探索
許 宗焄 教授 散逸系・パターン形成の物理現象、ノイズのプラス的効果と応用、液晶の基礎及び応用
前田 佳均 教授 持続可能な光エレクトロニクスを目指したあたらしい半導体と関連物質の研究
安田 敬 教授 酸化物半導体のナノ構造と電子的・光学的物性の制御、および太陽電池や表示素子等の電子デバイスへの応用
河野 晴彦 准教授 磁場核融合におけるプラズマシミュレーション、電磁流体および移動界面を含む流体の数値解析、ミクロ・マクロ連成解析
木内 勝 准教授 超電導体の電気抵抗なしに流せる電流密度の決定機構解明と、その応用に関する研究
高林 正典 准教授 光学システム、ホログラフィ、定量位相イメージングとその応用に関する研究
永松 秀一 准教授 有機半導体・導電性高分子の分子構造と電子物性の相関の解明とそのための分子配向制御技術の開発
福間 康裕 准教授 情報工学の発展を支える論理演算やメモリ技術、および新しい物理現象を利用した電子デバイスに関する研究
清水 文雄 助教 固気液混相流の流動解析、音響騒音の伝播解析、熱交換器および油圧機器の高性能化に関する研究

カリキュラム

学びの分類 2年 3年 4年
必修 確率・統計
微分方程式
プログラム設計
ネットワーク通信基礎
物理情報工学実験Ⅰ
電気システム回路Ⅰ
熱力学
物理数学
電磁気学Ⅱ
量子力学
光学・波動
物理情報工学実験Ⅱ
情報技術者倫理
電子物理情報実験
統計力学
固体物理学
電子情報回路
物理情報セミナー
卒業研究
選択必修 応用数学
連続体物理学
ネットワークプログラミングP
電気システム回路Ⅱ
コンピュータグラフィックスP
ネットワーク演習
バイオデータベース演習
半導体情報工学
光情報エレクトロニクス
電子情報材料工学
集積化システム設計
集積化システム設計演習
信号処理P
選択 化学Ⅱ
生物学Ⅱ
知的財産概論
キャリア形成概論
生物物理学
データベース
物理化学演習
情報関連法規
情報職業論
産業組織論
情報産業職業論
生物物理情報実験
構造生物学
バイオ情報計測分析
人工知能論理
医用分子シミュレーション
ソフトマター物理学
数値計算演習
グラフィックス演習
システムバイオロジー
コンピュテーショナル・ゲノミクス
人工知能応用

生物物理工学コース

新素材・材料、計測システム、生命科学を中心とした学際領域の新たな技術

金属などの硬い物質(ハードマター)とは対照的に、生体分子(タンパク質、DNA)・高分子・液晶・生体膜などの柔らかい物質(ソフトマター)や、それらで構成される生物・生命現象について、物理学と情報工学の観点から教育と研究を行います。そのために、生物学、物理学、計測・可視化技術、数理モデルを基にしたシステムデザインにつながる知識と技術を学びます。将来、新素材・材料、医歯薬、化粧品、食品、環境、計測技術、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、生命科学などの多種多様な分野で、生物・物理・情報工学を融合した学際領域の研究や開発を行える技術者を育成します。

キーワード
生物物理、ソフトマター、計測、定量生物学、物理工学、数理工学、可視化技術、グラフィックス、シミュレーション
養成する技術者像
生物・物理・情報工学の友好を通して新時代のイノベーションを興すことができる技術者

研究室紹介

安永 卓生 研究室

電子顕微鏡で覗く生物の作り出すナノ空間

生命が創り上げている3次元、4次元の時空間構造から、どのように生命機能が生み出されているかといった生命の動作原理を明らかにすることを目標にしています。

それを捉えるには、生体高分子や代謝物等の会合、脱会合、反応場等を、ナノ、マイクロ、ミリのスケールを通して、ミクロ、メソ、マクロといった階層を観察することが必要で、顕微鏡という技術が必須です。この技術の1つは、2017年ノーベル化学賞で話題となった「クライオ電子顕微鏡法」で、生物の生きた状態を急速凍結して、そのまま水和した状態で、しかも、原子レベルで観察が可能な技術です。この技術も利用できる施設も運用しています。

具体的には,下記の技術の開発、そして、それらを用いた生物機能の発現メカニズムの解明、特に、物理現象や化学反応を利用した、生物の「動き」のメカニズムに興味を持っています。

「クライオ電子顕微鏡・光学顕微鏡法を用いたタンパク質分子、細胞骨格、細胞内小器官、細胞の構造解析と機能の可視化」
「生化学、分子生物学、タンパク質工学などの手法」
「コンピュータを使った生物やソフトマター系各種材料の画像の画像処理・構造解析・機能解析法」

これらの計測・分析法の開発と生命の機能発現メカニズムの解明を通して、ライフサイエンス・創薬などのイノベーションに結びつく知識および技術の提供を目指しています。

教員の研究内容

松山 明彦 教授 ソフトマター、および生物関連・液晶に関する理論やシミュレーションによる研究
安永 卓生 教授 電子顕微鏡による生命のナノ構造と生命機能発現の仕組みの解明とそのための顕微技術・画像処理技術等の開発

入佐 正幸 准教授 溶液理論を用いた蛋白質と水が織り成す生命現象の研究
小守 良雄 准教授 確率ルンゲ・クッタ法の研究、および、寿命予測モデルの研究
大澤 智興 助教
森本 雄祐 助教 蛍光ライブセルイメージング技術を利用した定量解析による生命機能の研究

カリキュラム

学びの分類 2年 3年 4年
必修 確率・統計
微分方程式
プログラム設計
ネットワーク通信基礎
物理情報工学実験Ⅰ
熱力学
物理数学
量子力学
ネットワークプログラミングP
生物物理学
データベース
物理情報工学実験Ⅱ
情報技術者倫理
生物物理情報実験
統計力学
固体物理学
構造生物学
コンピュータグラフィックスP
グラフィックス演習
物理情報セミナー
卒業研究
選択必修 電気システム回路Ⅰ
応用数学
連続体物理学
光学・波動
電子情報回路
ネットワーク演習
バイオデータベース演習
医用分子シミュレーション
ソフトマター物理学
数値計算演習
システムバイオロジー
コンピュテーショナル・ゲノミクス
選択 化学Ⅱ
生物学Ⅱ
知的財産概論
キャリア形成概論
電磁気学Ⅱ
電気システム回路Ⅱ
物理化学演習
情報関連法規
情報職業論
産業組織論
情報産業職業論
電子物理情報実験
バイオ情報計測分析
人工知能論理
半導体情報工学
光情報エレクトロニクス
電子情報材料工学
集積化システム設計
集積化システム設計演習
信号処理P
人工知能応用

就職について

主な就職先
NTTドコモ NTTデータ九州 オービック
九電ビジネスソリューションズ アルファシステムズ 富士通エフ・アイ・ビー
NECソリューションイノベータ JR九州システムソリューションズ 九州電力
九州旅客鉄道(JR九州) トヨタ自動車 本田技研工業(ホンダ)
日産自動車 スズキ ヤマハ
日立製作所 三菱電機 安川電機
キヤノン セイコーエプソン ニコン
リコー 大日本印刷 NSプラント設計
ソニーLSIデザイン 日本板硝子 東レ
三菱ケミカル株式会社 宇部興産 霧島酒造

卒業生紹介

三瀬 大海 さん 株式会社日立ハイテクノロジーズ

株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子顕微鏡ソリューションシステム設計部
情報工学研究科 博士前期課程 情報科学専攻 修了
極微世界の分析装置に新風を。
少数精鋭で電子顕微鏡を開発中。
研究室では電子顕微鏡を操作していました。ナノレベルで観察できるので研究成果にインパクトを与えられる一方で、試料の観察に高度な技術が必要であったり、暗室での作業にストレスを感じることもありました。電子顕微鏡は少数精鋭で開発が行われることが多いので、真摯に業務と向きあって努力を継続していけば、高いスキルを身につけることも可能です。私の会社では透過電子顕微鏡の制御ソフトウェアの設計・開発を行っており、使い勝手が良く、更に汎用性の高い最先端の装置を開発することで、人類の発展に寄与したいと考えています。


和田 純 さん 住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社(住友電工産業電線株式会社に出向中)
情報工学府 博士前期課程 情報システム専攻 修了
今の私を誇れる自分でありたい。
いつかは会社を牽引できるように研鑽中。
大学では超伝導の研究をしていたため、将来は環境改善やエネルギーの高効率運用に携わりたいと考え、住友電工に入社。現在は、電力ケーブルの設計、製造業務に従事しています。1900年代に基礎が完成されたケーブルを、よりハイスペックに、より高品質に、品質改善しているのですが、要求事項にあふれていて、これらの要求に応えるための計画の立案、実行、分析を重ねていくにつれ、とてもやりがいのある魅力的な仕事だという実感が深まっています。また、当社の物づくりの拠点はさまざまなので、いろいろな地域で働けるのも魅力の一つです。


三浦 梨奈 さん 新日鐵住金株式会社

新日鐵住金株式会社 八幡製鐵所
情報工学部 機械情報工学科 卒業
どんなことでも人に話を聞いてみよう。
1人で考えるより、可能性が何倍も広がる。
鉄をつくるプロセスのダイナミックさと繊細さに感動し、その設備に関わる仕事に携わりたいと思い、この会社を志望しました。現在、設備を構成する膨大な数の部品をすべて健全に保つため、設備の強度解析や寿命の評価を行い、技術的な視点から適切な管理方法の提案を行っています。さまざまな部署の多くの人々と協力しながら進めていくところに、この仕事の魅力を感じています。目標は、周囲に頼ってもらえる存在になること。受験生の皆さん、興味の有無に関わらず、色々な人に話を聞いてください。自分一人で考えるより何倍も可能性が広がりますよ。