海中・水中での電波無線通信を可能とする国際標準規格(IEEE 1901c)が成立
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掲載日:2024年03月07日
最終更新日:2024年06月12日
海中・水中での電波無線通信を可能とする
国際標準規格(IEEE 1901c)が成立
IoTネットワークイノベーション実証研究センターと社会ロボット具現化センターでは、パナソニックホールディングス株式会社と共同で海中・水中における無線通信の研究に取組んでいます。この研究は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))のBeyond 5G研究開発促進事業「研究開発課題名 海中・水中IoTにおける無線通信技術の研究開発(採択番号02301)」(注1)に採択され、研究とともに社会実装に向けた実証実験を進めております。
この海中・水中無線通信技術は、従来のWavelet OFDM方式をベースとした高速電力線搬送通信技術を拡張したNessum AIR(注2)を用いたもので、信号周波数帯域を従来よりも海中・水中に適した低い帯域にシフトさせ、微弱電波による無線通信に適用させたものです。
今回成立した国際標準規格は、パナソニックホールディングス株式会社と九州工業大学が共同で提案したもので、約一年半の作業部会での審議を経て、この度、IEEE標準規格協会の理事会にて、新たな IEEE 1901c(注3)として承認されました(注4)。
本技術は海洋資源探査、海中構造物の開発・保守、水産業のIoT化に貢献するもので、今回の国際標準化により研究成果の社会実装が世界的規模に広がることが期待されます。
本方式を用いた水中無線通信実験の様子
(注2) 高速電力線搬送通信(HD-PLC)を電力線や既設線だけではなく無線にも拡張した技術
(注3) IEEE標準化協会が2022年5月に承認・設置したプロジェクトで、IEEE 1901.c作業部会で審議、策定された通信仕様
(注4) 有線・無線・海中のハイブリッド通信可能な通信技術「Nessum」が国際標準規格(IEEE 1901c)として承認