公開講義2016

公開講義2016

公開講義

各講義15分~20分程度の気軽に聞ける内容の講義です。どんなことを大学で学ぶのかイメージを膨らませてもらうために今年も開催します。
皆さんの身近にある事柄にも触れながら、「情報工学のもたらす世界」へ誘います。

公開講義1
公開講義2
公開講義3

午前の部(10:00~10:20)

2201講義室
知能情報工学科 片峯 恵一 准教授
 知能片峰 テーマ  パーソナルプロセスのすすめ
~自分磨きの第一歩~
 専門分野 ソフトウエア工学
 担当科目 ソフトウエア工学A、パーソナルソフトウエアプロセス計画演習、
品質演習(大学院)、チームソフトウエアプロセス演習Ⅰ・Ⅱ(大学院)、
プロジェクトマネジメント特論(大学院)
自分の能力を客観的に計測したことがありますか?自らを改善するには、まず自分を知る必要があります。プロセスという概念では、作業の手順を定義して、規模や時間および欠陥を計測することによって、その作業に対する能力と特徴を把握することができます。パーソナルプロセスとは、個人の作業にプロセスを適用することをいいます。本講義では、本学と連携している米国カーネギーメロン大学ソフトウエアエンジニアリンク研究所の提案するプロセスを紹介します。このプロセスは、ソフトウエア開発を対象としています、基本的な考え方は様々な作業に適用できます。実績のある手法を学び、その効果を体験して、今後の活動に役立てて下さい。
2101講義室
システム創成情報工学科 岡本 卓 教授
 システム岡本 テーマ 化粧品と光の科学
 専門分野 光工学
 担当科目 光工学、通信工学、計算機活用入門、
光波工学特論(大学院)
青空や夕焼け、牛乳や雪の白さなど、光が飛び散る現象は私たちの身近で数多く見られます。このような光を上手に利用すると、高性能な化粧品を作ることができます。化粧品の開発は、人の感性に頼るところが大きいので科学になじまないのでは、と思われるかも知れません。しかし最近、化粧をした肌の見え方を科学的に調べる研究が始まっています。
見え方はどのような光が目に入るかによりますから、光が肌でどのように反射・吸収されるかが重要な問題となります。特に、化粧品が素肌での光の振る舞いをどのように変えるかを知ることが重要です。このような私たちの生活に役立つ最先端の光の科学を紹介します。
2102講義室
機械情報工学科 永山 勝也 教授
 機械永山 テーマ 観察と計算予測で明かす体内現象
血流、がん、肌、再生医療まで
 専門分野 数値解析
 担当科目 力学、現代物理学、技術者倫理、マイクロ流体特論(大学院)
数値解析は幅広く農業に用いられ、機械情報工学科でも飛翔体周りの流れや力の計算など教育・研究されています。今回は対象を人体とした、一風変わった解析についてお話します。但し生物の分子構造ほど微細ではなく、組織レベルの力学です。まず数値シミュレーションでは、美容に重要な肌や髪の形成、日本人の死因1位のがんの増殖、さらに歯槽骨や肝臓の再生医療に至るまで、計算で予測した現象をご覧ください。次に皆さんご自身の指先血管の血流、肌、頭皮などを顕微鏡で観察して投影します。画像は解析して、健康状態やサプリの効果を点数評価する研究も行っています。以上、普段見ない体内現象を解析で明らかにします。

午後の部(13:00~13:20)

2201講義室
機械情報工学科 永山 勝也 教授
 電子鶴 テーマ インターネットにおける通信の効率と公平性
~利用者間の公平性とは~
 専門分野 情報通信ネットワーク
 担当科目 確率・統計、応用解析学
みなさんが普段使っているインターネットは、同時に多数の人が利用していります。時々混雑してアクセスが遅くなることもありますが、それでも大体はうまく動きます。たとえば、皆さんがスタバでスマホを開くとWifiというマークが出るはずですが、その時、同一の無線周波数という資源を周りのみんなで共有しています。それを実現しているのが利用者間で様々なネットワーク資源をうまく分配する仕組みです。本講演では、このような情報通信ネットワークにおける資源共有の仕組みのいくつかを紹介し、特に、利用者間公平性とは何か?どうやったら公平な利用を実現できるか?という問題が、実は数学の問題であることをわかりやすく説明します。
2101講義室
生命情報工学科 坂本 順司 教授
 生命坂本 テーマ いきいきと生きる微生物の多様性
~息をする呼吸酵素の構造~
 専門分野 生化学、生体エネルギー学
 担当科目 分子遺伝学、微生物工学、基礎物理化学・演習、
生化学・プロテオミクス実験
微生物は目にみえないので、普段はあまり意識されない地味な存在ですが、みそ・醤油やお酒を造ってくれる有用菌や、病気や腐敗の原因となる悪玉菌もおり、よくも悪くも我々の生活に深く関わっています。微生物の多くはヒトと同じく呼吸活動で生きています。しかしそこで働く呼吸酵素は多様で、ヒトとは全く異なるタイプの分子もあるのです。私たちは最近、微生物で代表的な呼吸酵素の精密な分子構造を世界で初めて解き明かしました。その構造データを解析すれば、善玉菌の育成を改善したり、悪玉菌の「息の根を止める」医薬品を開発したりできるでしょう。このような研究でのヴィヴィッドな国際共同にも説き及びます。